薬師岳

　百名山では北アルプス最後の２山だ。当初はこの時期近畿地方の２山にする予定ではあったが、かなり暑いと聞いていたため、やはり予定を急遽変更してのことだ。どうも予定が変わりやすい。これも単独登山の良さかもしれない。
　どうも今回はザックが軽いと思っていたら、なんと雨具を家に忘れてきてしまった。なんと初歩的なミス情けない。
　有峰口ではザックが10kg以上になると荷物代がとられる。しかしザックからカメラを取り出して計ったところ、9.5kgで何とかセーフ。カメラを入れて水を入れたら完全にオーバーしているところだった。雨具を忘れたのが幸いしたのか。と言い訳する。
　折立からの道は地図上では５時間とのことだが、かなり短縮できそうな情報もあったため、気持ちは楽だ。案の定、太郎平にはおおむね３時間で着いた。計算通り。しかし、夜行明けの体はやや疲れていて、この後は歩くのがだるかった。薬師岳山荘に着いた後すぐに薬師岳の頂上に向かうつもりでいたが、小屋に先に着いている人たちとしばし歓談してしまい、もう歩く気がなくなってしまった。外はガスっているので登っても意味ないと自分に言い聞かせた。頂上は翌日のご来光で登ることにすると言う同宿者と意見が一致した。夕方ガスがとれ、頂上も見え、夕焼けが美しかった。
　夜が明ける何時間も前から多くの人たちが行動を開始した。外は満月がこうこうと光っている。いいご来光が見られそうだ。満月のためかランプを使わなくても足元は明るい。念のため、ランプを持っていったが結局は使わなかった。頂上には薬師岳というだけあって、薬師如来像が祀って合った。東の空が次第に明るくなり、いよいよ夜明けだ。何度見てもご来光はいいものだ。ましてや、薬師岳でのご来光は価値がありそうだ。頂上からの360°は遮るものがなく、遠く剣岳から北アルプスの山々、さらには富士山までよく見えた。夜が完全に明けると西側には影薬師がはっきり見えた。