鳥海山

　　前日象潟の駅で鉾立山荘に電話したときに声をかけてきたＡ氏とともに、鉾立山荘に泊まった。朝はＡ氏の方が25分も早く出たが、頂上に着いたのはほぼ同時だった。どうもＡ氏はバテたようだ。こっちは朝からまあまあで、朝食は梅粥だけだったがそこそこ歩けた。鉾立から１時間の賽の河原には８月になると水が涸れると聞いていたが、意外にも豊富に水が流れていた。
　梅粥だけではさすがに腹がへる。途中で前日買った湯殿山まんじゅうを食べた。これが結構いけて、大きくて重いのだが１個全部食べた。うまかった。このまんじゅうのおかげかここからはほとんど休みなく頂上直下の小屋まで行けた。途中少し迷ったところもあったが、すぐに元に戻れた。
　頂上小屋前でＡ氏と一緒になったので、少し話をして荷物をここにおいて頂上に向かった。東北の山には珍しく、頂上付近は岩だらけのガラガラの状態だ。全く草のない北アルプスと同じようだった。これはおそらく溶岩ドームのようなものが盛り上がってできたものだと思える。新山というのもうなずける。
　外輪山の七高山にも行ってみた。ここが鳥海山の本当の頂上であったらしく、三角点もここにある。標高は６ｍ低い。東北の山としてはまさにここが頂上の雰囲気で、ここから見た新山はさすがに岩だらけだ。
登りは千蛇谷コース（下コース）だったが、下りは外輪山コースを使った。この外輪山コースの方が眺めがよくて、ややスリルがあるものの下るには最高のコースだ。月山や蔵王山も見え、海に浮かぶ島も見える。今回の東北山行では最も景色がよかった。
　朝早く小屋を出て時間にゆとりがあったので、大平方面に下りることにした。頂上から一緒だったＡ氏もつきあってくれて一緒の所に下りた。大平山荘でビールで乾杯した。うまかった。
　バスは定刻に来たが、途中から次第に遅れ始め、酒田に時間通り着くか心配だった。時間に間に合わないと特急に乗れなくなってしまう。この特急を逃すとこの日中には帰れない。Ａ氏が「運転手に言っておいた方がいいよ」というので、念のため一言運転手に言っておいた。運転手はわかってくれたようで、ややスピードを上げてくれた。おかげで間に合った。同乗の地元の老人からも「よかったね」との言葉をもらった。
　今回の東北山行は時間との戦いだった。