塩見岳

　　前日塩見小屋に着いた頃から雨と風が強くなっていて、当日の塩見岳への登頂が懸念されたが、当日になってもやはり風雨が強くて台風の接近を感じた。しかしそんなことを言っては男が廃る。ここは頑張るしかないと思い、やや遅めの出発となった。熊ノ平まで行ければよいと気持ちのゆとりを持つことにした。
　塩見岳の頂上は予想通り風雨が強くて、とてもゆっくりできるような状況ではない。一刻も早くこの場を去ることが賢い行動だ。頂上ではほとんどゆっくりともせず、足早に熊ノ平方面に向かった。途中蝙蝠岳に向かう分岐があり、山に入る前には蝙蝠岳も登山候補にはなっていたが、日程が早まったことと、天候により、この時はあまり意識することもなく通り過ぎてしまった。
　元々はこの塩見岳あたりを最後にして下山する予定であった。しかしこの頃には思ったよりもペースがよくて、予定よりも早く歩けたため、この調子ならもっと行けるのでは？との考えが浮かんでいた。