那須岳

 去年からこの時期に登れる山をとっておいた那須岳に登る時期が来た。やはり気になるのは残雪状況だ。しかしこの年は昨年の大雪の年とは全く逆で、雪が少ない年でこの時期の残雪はほとんどなさそうとの情報から、やや安心して登れることになりそうだ。
 那須岳だけではおもしろくないので、茨城県最高峰の八溝山もセットで登ることにした。八溝山は車で頂上まで行けるのだが、それでは登山にならないので、歩いて1時間ほどの所の駐車場に止めてから登った。
 早朝自宅を車で出て八溝山に登り、那須の麓に着いたのは昼を少し過ぎた頃だった。八溝山ではそれほど吹いてなかった風も、那須では朝からの強風のため、ロープウェーは運休しており、ロープウェーを使う予定ではあったが、やむを得ず歩いて登ることにした。結局歩いてもたいした時間でもなくてむしろ歩いてよかったように感じた。ロープウェーがなくても多くの人が歩いている。
 峰の茶屋ではかなりの風が吹いていて、安達太良山のときを思い出す。ただこの日は風は強いものの、雨や雪は降っておらず、何とか三斗小屋にはたどり着けそうだ。茶臼岳を往復する。頂上付近は岩だらけで、少し下の方ではジェット機のような音が盛んに聞こえる。不気味だ。
 三斗温泉小屋では「大黒屋」に泊まった。もう一つの「煙草屋」はなんか煙そうで遠慮させてもらうことにした。大黒屋は山小屋というよりも昔の旅館という感じで、ほとんどの客は予約しているようで、予約していない自分は申し訳なく感じた。
 小屋では個室に通された。3畳ほどの広さだった。風呂は温泉で、男女1時間交代で大きな風呂と小さな風呂が交互で入るようになっていた。当然両方とも入った。いい気分だった。
 翌日、三斗温泉から隠居倉山への尾根からは雪をかぶった山々がよく見えた。飯豊連峰か?。その後、三本槍、朝日岳を登り、再び峰の茶屋を通って、歩いて下山した。この日は天気も良く、下山する頃にガスってきたが、風もなく、穏やかな1日だった。ロープウェーは動いていたが、乗るには茶臼山を越えなくてはならないし、金を取られるので、結局使わずに下山した。下山後は麓で当然温泉に入って、硫黄の臭いをぷんぷんさせながら帰った。