八甲田山

　　うまい具合に前日のうちに酸ヶ湯温泉までこれた。八甲田山自体は大変な山ではないが、できるだけ前日のうちに麓まできたかったのでとてもラッキーであった。前日は青森のねぶた祭りの日で、本当は青森駅付近で宿を取ろうと思っていたのだが、幸は不幸か宿が取れず、駅前の酸ヶ湯温泉の紹介所で「八甲田ロッジ」を紹介されたので、ねぶたは残念ながら見られなかった。むしろそれが八甲田山に登るには都合がよかったのである。
　八甲田山には酸ヶ湯温泉から登り始めた。麓ではやや曇っていて、上の方はどうなっているか心配だった。案の定上るにつれて風は強くなり、ガスが出てきた。幸い雨にはならずに助かった。
　上に行けば行くほど風が強くなり、仙人岱ヒュッテに着いたときにはもう高田大岳や小岳には行く気もしなかった。とりあえず大岳だけはと思い、これを越えて毛無岱の方に下りることにした。
　大岳の頂上には１人若い人がいて、お互いに写真を取り合った。この日の中ではもっとも風の強いところで、立っているのがやっとであった。
　上毛無岱が近づくと木道になり、湿原のような装いになってきた。でもガスで回りがよく見えないものの、幻想的な雰囲気を感じた。しばらくするとガスが切れてきて周りが見えるようになってきたが、依然山は見えない。上毛無岱から下毛無岱の方に歩いていくと、途中急な階段があり、ここから見える下毛無岱は地塘うがちりばめられていて、素晴らしいの一言につきる。もう少し天気が良ければ山も見えてよかった。