富士山

　　高校３年の夏休みに友人のKと２人で登った。この山行は予備校の夏期講習の合間の山行で、登山らしい格好ではなく、ハイキングに毛の生えたほどの山行だった。１日目に電車、バスを乗り継いで富士宮口の５合目まで行き、その日は這松の生えている山の斜面のやや平らなところを選んでシュラフのみで野宿した。２日目は夜明け後に５合目を出発した。天気はとてもよく、暑かった。登山というものをほとんど行った事がなかったので、とてもバテた。
　頂上（富士宮口を登りきったところ）についたのはもう昼を過ぎた頃だった。剣が峰まで登る元気はもうなかった。（3776mの頂上に初めて立った日は84-08-19(日)）しばらく休んだ後、御殿場登山口から下山した。雲海がとてもきれいではっきりとした影富士がみられた。このときは影富士という言葉も知らなくて、後で聞いてもう一度見てみたいと思った。御殿場口の５合目はとても遠く、歩けど歩けど５合目につかない。途中の山小屋で「危険だから泊まって行きなさい」と言われたが、断ったら無理矢理足に草鞋を履かされて５００円とられた。唖然としてしまった。しかし草鞋のおかげでとても歩き易くなって無事御殿場口の５合目についた。草鞋はボロボロになっていた。もうあたりは真っ暗で夏の星々がまぶしいくらいだった。この日はここの売店の屋根の下で野宿した。次の日にバス・電車を乗り継いで帰宅した。この山行は星の写真を撮る事を兼ねた山行であった。