Windows 2000 Server へコマンドプロンプトからの登録について




 数人のユーザーを登録するだけならば、GUIの画面上で登録すればよいが、人数が多くなるとこれも大変である。そこで大量のユーザー登録をするにはコマンドライン上(コマンドプロンプト上)で登録すると楽にできる。
 具体的には人数分のコマンドを書いたバッチファイルを作って実行すればよい。ここでは例として5人分のユーザー登録をExcelを使ってバッチファイルを作成し、実行する方法を紹介する。


  1. コマンドプロンプト上でユーザー登録するには「net user 」コマンドを使えばよい。書式は以下のようになるが、多くのオプションがあり、必要に応じて追加すると良い。詳しい使い方はコマンドプロンプト上で「net help user」と入力してEnterキーを押すと出てくる。


    最低限必要なのは「アカウント名」とオプションの「/add」である。
     例えば、アカウント名を「name01」でユーザー登録する場合は次のようにすればよい。(最後にEnterキーを押す)

      >net user name01 /add

    これで「name01」というユーザーが登録された。しかしこれだけでは単に登録されたというだけで、使いにくいこともかなりあるので、最終的にバッチファイルで登録するのであればたいした手間もかからないので、出来るだけ必要と思われるものは登録しておいた方が良いだろう。

     私が実際に登録しているのは次のような書式である。

    >net user name01 pass01 /add /fullname:"名前01" /homedir:\\serv\mydoc\name01 /profile:\\serv\profiles\ name01/comment:"コメント01" /scriptpath:log.bat


    解説
    name01 登録するユーザーのアカウント名
    pass01 登録するユーザーのパスワード
    /add ユーザーを登録するという命令
    /fullname: 登録するユーザーの表示名(表示したい名前を " " で囲む)
    /homedir: 登録するユーザーのホームディレクトリで、サーバー内でこのユーザーだけが使えるディレクトリ(フォルダ)
    (マイドキュメントなどの個人のデータを置くのに便利)
    /profile: ユーザーのプロファイルを置くパス(移動プロファイルや固定プロファイルにするときに使う)
    /comment: そのユーザーのアカウントに関する説明のコメントを指定します (48 文字以内)。(コメントしたい内容を " " で囲む)
    /scriptpath: ユーザーがログインするときに実行させるバッチファイルなどを指定する。ここで指定した「log.bat」は%SYSTEMROOT%\SYSVOL\<DNS ドメイン名>\scriptsにあるNETLOGON 共有に格納されている。つまり、ドメイン名が「pcroom.local」ならば、実際には「C:\WINNT\sysvol\sysvol\pcroom.local\scripts」の中に置いておき、中身は「net use k: \\serv\kyoyu」としてある。意味は「サーバーの kyoyu という共有フォルダを k ドライブとして機能させる」という意味。
    /homedir、/profile、はネットワークのパス(UNC)を入力する。例のように \\ から始まるパス名

  2. Excel を立ち上げて、登録するユーザーに共通の文字列は図のように各セルに記述しておく。
    (図1) → 図2に続く

    (図2)

    A1のセルには「net user 」を入力する。user の r の後ろに半角のスペースを一つ入れておく。
    C1のセルには半角のスペースを一つだけ入力しておく。
    E1のセルには「 /add /fullname:"」と入力する。 add の前の / の前に半角のスペースを一つ入れる。
    G1のセルには「" /homedir:\\serv\mydoc\」を入力する。serv の所はサーバーの名前を、mydoc の所はホームディレクトリを置くパスを
    I1のセルには「 /profile:\\serv\profiles\ 」を入力する。 / の前と最後の\の後ろにはそれぞれ半角のスペースを一つ入れる。
    K1のセルには「 /comment:"」と入力する。 / の前に半角のスペースを一つ入れる。
    M1のセルには「 /scriptpath:log.bat 」を入力する。 / の前には半角のスペースを一つ入れる。

     なお、B1,H1,J1 のセルには「account」、D1のセルには「password」、F1のセルには「登録するユーザーの表示名」、L1のセルには「コメント」が書いてあるが、これはイメージのために書いたもの。つまりは1行目がすべてつながる形で1つのコマンドが完成するので実際にはこれらはA4〜D8を代わりに入れることになる。

  3. 実際に登録したいユーザーのアカウント名、パスワード、表示名を図3のようにA列の4行目あたりから入力する。
    (図3)

  4. F4のセル上で 「=$A$1&A4&$C$1&B4&$E$1&C4&$G$1&A4&$I$1&A4&$K$1&D4&$M$1」を入力する。(実際には入力するのは"="と"&"だけで、それ以外は該当するセルをクリックするだけ。ただし、全員に共通する文字列の所は絶対セル番地にしておく。
    (図4) → 図5に続く

    (図5)

  5. F4のセルに一人目のユーザーが出来たら、これをF5〜F8にコピーして5人分作る。
    (図6)

  6. これをとりあえず適当な名前を付けて普通に(Excel の形式で)保存する。

  7. 実際にバッチファイルを作るにはF4〜F8のセルを範囲選択してコピーし、メモ帳などに貼り付けて拡張子を bat にして保存すればできあがる。

  8. 最後にこのバッチファイルを実行すればコマンドプロンプト上で実行され、ユーザー登録出来る。GUIで登録した場合と若干違うところもあるが、実質上はほとんど同じである。